食卓の向こう側に見えるもの
~21年度岐阜県PTA連合会定期大会記念講演会より~
西日本新聞社編集委員 佐藤 弘さん
・子どもの体温が低下してきている
長崎県佐世保市のある女子高で高校2年生のクラスで40人中19人が低体温(35度台)
・野菜の栄養価が低下してきている
市販品と有機野菜のきゅうり、一ヵ月後ミイラになったのは・・・
・「食育」をどうとらえるか
「作る・獲る」→買い物する・調理する→「食べる」→かむ→「出す」
→排泄物・ゴミ類→「処理する」→「土に返す」→
・先ずは、現状の把握から
アンケート回答はあてにならない。アンケートの中の愛国心、売り場での博愛主義
・若者たちの食生活はどうなっているか?
一人暮らしの女子大生
朝ごはんたべず、昼、ベビースターラーメンと水から始まり、夕方が焼き菓子、2日目の朝がなし、お昼がメロン半個、夜は友達と焼肉屋。3日目の朝がなし、お昼はカフエで200円、夜は居酒屋で2800円。4日目の朝もなし、お昼がチキンラーメンとフルーツポンチ、夜はまた居酒屋。5日日の朝もなし、お昼がチキンラーメンとから揚げ、夜がパスタとピザで1000円。6日目の朝がファミレスでキムチ雑炊、お昼がレストランで800円。そしてまた居酒屋。決してお金がない訳ではありません
・砂糖の摂り過ぎで、空腹感が無い
炭酸飲料、スポーツ飲料に含まれる糖の量に驚き。
マラツン選手とJリーグのサッカー選手は、絶対そのままでは飲まず、必ず3倍に薄めて飲むそうです。そうしないと体が受け付けないとか、後から体がおかしくなると言っていました。
・どこかおかしい食生活、何故だろう
① 朝の欠食がめだつ
② 量が少ない
③ 米・味噌汁摂っていない
④ お菓子が食事代わりになっている
⑤ 甘いジュースが多かった
⑥ 野菜食ってない
⑦ 魚摂ってない
・食卓の向こう側に何があるか
ロングエッグ-卵の白身と黄身とを分離して成型したもの。
・「弁当の日」の取り組み
・小学校で始めた「弁当の日」
原則三つ
①子どもだけで作る。親が手出しをしない。
② 小学校5 ・6年生のみ。小学校5年生から家庭科の授業が始まるから。
③1月から月1回、年5回行う
・「弁当の日」4つのねらい
「もし、世の中に家庭だんらんが復活したら非行は10分の1になる」
「小ケガをさせて、大ケガをさせない」それが私たち大人の役割
・「弁当の日」の卒業生に贈られた言葉
食事を作ることの大変さが分かり、家族を有難く思った人はやさしい人です。
手順よくできた人は給料をもらえる仕事に就いた時にも、仕事の段取りのいい人です。 食材がそろわなかったり、調理を失敗したりした時に献立の変更が出来た人は工夫できる人です。
友達や家族の調理の様子を見て技を一つでも盗めた人は自ら学ぶ人です。
こまやかな味の違いに調味料やかくし味を見抜いた人は、自分の感性を磨ける人です。 旬の野菜や魚の色彩、香り、食感、味わいを楽しめた人は、心豊かな人です。
1粒の米、1個の野業、1本の大根の中にも命を感じた人は思いやりのある人です。
スーパーの棚に並んだ食材の値段や賞味期限や原材料や産地を確認できた人は賢い人です。
食材が弁当箱に納まるまでの道程にたくさんの人を思い描けた人は、想像力のある人です。
自分の弁当を美味しいと感じ、うれしいと思った人は幸せな人生が送れる人です。
鮭の切り身に生きていた姿を想像してゴメンが言えた人は、情け深い人です。
登下校の道すがら稲や野菜が育っていくのをうれしく感じた人は、慈しむ心のある人です。
あるもので作る、出来たものを命食べることができた人は、たくましい人です。
弁当の日で仲間が増えた人、友だちを見直した人は人と共に生きていける人です。
調理をしながらトレイやパックのごみの多さに驚いた人は、社会を良くしていける人です。
中国野菜の値段の安さを不思議に思った人は、世界を良くしていける人です。
自分が作った料理を喜んで食べる家族を見るのが好きな人は、人に好かれる人です。
家族が手伝ってくれそうになるのを断れた人は、独り立ちしていく力のある人です。
「いただきます」「ごちそうさま」が言えた人は、感謝の気持ちを忘れない人です。
家族がそろって食事をすることを楽しいと感じた人は、家族の愛に包まれた人です。
・体験の無い食育は意味がない
体験して初めて分かる。
弁当の日をやった学校の残飯?0.2%
「弁当の日は僕達が大人になるための階段だった」
・子どもに学ぶ姿勢(体と心)を作って学校へ送り出そう
今学校で3パターンの子どもが多い
・朝9時の段階で、フニャフニャしている子。
・夜更かしで朝からダレてる子。
・横から見ると小太りで、時々ウッ、ウッとか言う。これはTVゲームのし過ぎ。
・「食卓は今日一日の報告会」
食事が単なる栄養摂取なら、サプリメントで済む。
毎日は無理でも1週間に1回、あるいは人によっては1ヶ月に1回でもいい。家族で何か食べながら、他愛のない会話をする。
食卓の向こう側 / 西日本新聞
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/shoku/http://www.nishinippon.co.jp/nnp/lifestyle/shoku/rensai/ロングエッグ
http://homepage3.nifty.com/takakis2/longegg.htm食べかた上手だった日本人―よみがえる昭和モダン時代の知恵 (単行本)
魚柄 仁之助 (著)
価格:¥ 1,890
http://www.amazon.co.jp/dp/4000237799/魚柄仁之助公認サイト「魚柄仁之助の食文化情報局/台所の穴」
http://www.ne.jp/asahi/uotuka/official/ここ―食卓から始まる生教育 (単行本)
内田 美智子 (著), 佐藤 剛史 (著)
価格:¥ 1,500
http://www.amazon.co.jp/dp/4816707360/食育の大切さ、間違った考え方に気付きました。ありがとうございます。